古雜メモ

古雜文庫のメモランダム

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

マヴォイスト矢橋公麿は矢橋丈吉だった

『文藝市場』の大正15年4月号に、「硫酸と毒蜘蛛」という何やら変わった戯曲が掲載されていた。作者の名は矢橋公麿。この人、翌月の『文藝市場』5月号に岡田龍夫と連名で「マヴォ大聯盟の再建に就て」というアピールを出している(これは『文藝市場』だけな…

大正八年浅草観音劇場の出し物

雜誌『改造』1930年9月号に高田保「浅草『歌劇』華かなりし頃」という隨筆が掲載されている。高田が大学卒業後、所謂ペラゴロとなって浅草公園の興行街で漂泊生活を送った挙げ句に浅草オペラの代表的劇場であった金龍館の文芸部にいた時代の回顧的なエッセー…

檜六郎って誰なのさ

これは2017年のことなのでちょっと古い話である。 昭和初期の『改造』や『文戰』に檜六郎って人が社会時評的な記事を書いているのに遭遇した。ネットで検索をかけてみても、この檜六郎さん、どいう人なのかさっぱりわからなかった。そのとき、ふっと思いつい…